
ノルドマンエボシミジンコ/コウミオオメミジンコEvadne nordomanni, Pleopis polyphemoides

鉤脚目
ノルドマンエボシミジンコ(上)とコウミオオメミジンコ(下)のツーショット。

ノルドマンエボシミジンコEvadne nordomanni

鉤脚目
ステージIV
『私説ミジンコ大全』のp157参照。
お台場で採集し、深夜01:30頃撮影。

ナガマルミジンコ3Chydorinae sp.

ナガマルミジンコの一種
育房内の胚に目が二つあることがはっきりわかる。この種類ではこの後どうなるかわからない。
なぜならマルミジンコの仲間は単眼と複眼の大きさが大きく違わないからである。
ダフニアなどでは胚に二つある目は産仔される頃には合体して一個の複眼になるのであるが、この仲間では良くわからない。

ナガマルミジンコ1Chydorinae sp.

メス(体長0.4~0.6mm)
非常に小さなミジンコである。泳ぐというより、藻類などの上を綱渡りのように這っていたり、
底の方をゾロゾロと這っている。背中の育房に発生中の胚(こども)がある。

ソコミジンコ3Harpacticoida sp.

ソコミジンコ (Harpacticoida)の一例
北海道天売島漁港にて採集
体の両脇に卵をぶら下げているところは橈脚類特有の生態。
この種類はぶら下がった卵の中で発生が進んでいるが、孵化後ノープリウス幼生期が六期、
コペポダイド幼生期が六期あり、その十二回目の脱皮をして成体となる。

ソコミジンコ2Harpacticoida sp.

ソコミジンコ (Harpacticoida)の一例
体を横から撮影。仰向けになっていて全部の顎脚や胸肢がよく見える。

ソコミジンコ1Harpacticoida sp.

ソコミジンコ (Harpacticoida)の一例
北海道天売島漁港にて採集
ヒョウガソコミジンコとほとんど同じ体型をしている。体が赤いのはヘモグロビンを増やしているか、紫外線カットの為なのかいずれかであろう。

ヒゲナガケンミジンコの仲間2Calanus sp.

仰向けになって泳いでいる姿がはっきりとわかる。
北海道天売島漁港にて採集(2012年)。
撮影協力:カールツァイスマイクロスコピー(株)

ヒゲナガケンミジンコの仲間Calanus sp.

海では圧倒的に優位な橈脚類(Copepoda)の仲間である。
北海道天売島漁港にて採集(2012年)。
撮影協力:カールツァイスマイクロスコピー(株)

エゾハリナガミジンコ3Daphnia ezoennsis

エゾハリナガミジンコ(Daphnia ezoennsis)頭部、上体の器官説明写真

エゾハリナガミジンコ1phnia ezoensis

Daphnia ezoensis (メス)
驚くほどに体が透明で見つけにくい。背中には白い大きな鞘にはいった受精卵(休眠卵)。(体長1.1~1.6mm)

アオムキミジンコ3Scapholeberis mucronata

体長:0.6-1.1mm 性別:メス
頭部の複眼は体の割に大きい。左右に伸びた第二触角は外肢内肢の2本に分かれていることが良く見える。
この触覚にはたくさんの遊泳剛毛が生えており、この触覚を櫂のように使ってミジンコは遊泳する。
写真中央部を見ると、両側から伸びた殻が、少し開いているのに気付く。
この殻の先はほぼ水平でソリのような役割をしているものと思われる。

アオムキミジンコ2Scapholeberis mucronata

体長:0.6-1.1mm 性別:メス
水面をごまのように泳いでいる。だがこのものは仰向きに泳いでいる。それが実にこまめに素早く泳ぐ。
これは横から見ているが、この小さな体の育嚢の中に、たくさんの子供がいる。
黒く丸い小さな点がこどもの複眼である。驚いてしまう。

アオムキミジンコScapholeberis mucronata

体長:0.6-1.1mm 性別:メス
名前の如く仰向きになって泳ぐが、水面の裏側をすべるようにして泳ぎ回っている。
見るところ、腹側の殻は2本のそりのようになっている。上から見るとごま粒が泳いでいるようである。

ナガマルミジンコChydorinae sp.

体長:0.4-0.6mm 性別:メス
非常に小さなミジンコである。泳ぐというよりそこの方をぞろぞろ這っている感じである。
藻類などの上を綱渡りのようにはいっていたり。可愛らしい。
体の中心を通っている腸管が1回転しているのが他のミジンコと異なる。
体長が短いため消化するのには1回転しないと充分な長さを得られないからであろう。
背中の育嚢に発生中の胚(子供)がある。

カイミジンコの仲間2Ostracoda sp.

体長:2mm前後 性別:不明
ミジンコを飼育していると、水がだんだんと悪くなる。そうなると。残ってくるのはカイミジンコやケンミジンコである。
連中は肉食だったりするらしい。世の中は複雑極まりない。

ヤマヒゲナガケンミジンコ7Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.3-1.6mm 性別:オス
長く伸びた第一触角は左右対称でない。膨らんだ右側(写真では左になってる。理由はこの種類は仰向けに泳ぐからである。)の部分は折れ曲がるようになっていて、メスを掴まえる時にパッとこの触角で掴まえるのである。
カイアシ類は交尾をする時にオスがメスを捕まえて、メスの腹部にある受精嚢に精子の入った精嚢をくっつける。
これはコンドーム状の形をしていてメスの受精嚢にくっつくところにカップリングデバイスというものがあって、それが同じ種のメスにしか合わないように出来ている。従って交尾した直後のメスは、この精嚢をぶら下げているのですぐに判る。
カイアシ類は12回の変態脱皮をして生態となる。6回目まではノープリウス幼生と呼び、7回から11回までをコペポディッド幼生と呼ぶ。12回目が成体となる。
詳しくは知らないが、ヒマラヤのヤラ氷河にいるヒョウガソコミジンコでは11回目の脱皮した後にオスにつかまっているそうだ。
北太平洋に棲むカイアシ類も11回目の脱皮の後交尾して12回目に脱皮した時には受精卵を持っているそうである。

ヤマヒゲナガケンミジンコ6Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.3-1.6mm 性別:オス(?)

ヤマヒゲナガケンミジンコ5Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.9mm 性別:メス
横から見るとこうなる。体節がよく確認できる。やはり体の内部がかなり透明である事がわかる。

ヤマヒゲナガケンミジンコ3Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.9mm 性別:メス
このようにカイアシ類(ケンミジンコ)といえども体は透明である。
ミジンコなどの動物プランクトンの体が透明である理由は、水中において捕食者から見えにくくする事で身を守る戦略によるものと考えられる。
いかなる生き物といえど食べられたいわけではない。
食べられても生き延びた種だけが今日生存してるに過ぎない。

ヤマヒゲナガケンミジンコ2Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.9mm 性別:メス
からだの上の太いところが頭胸部。その下は腹部となる。腹部の最初が生殖節でメスはここに受精嚢をもつ。
生殖節の左右に出ている脚は第五胸脚であり、種を同定する際の重要なポイントである。

ヤマヒゲナガケンミジンコ1Acanthodiaptomus pacificus

体長:1.6-1.9mm 性別:メス
左右に長く伸びた第一触覚触角が左右対称であることに注目。オスはこれが左右対称でない。
ケンミジンコはカイアシ類と呼ばれる仲間で、ほとんどの種は海産であリ、1万種を超える。
カイアシ類では常にオスメスが存在し、両性生殖によって子孫を残す。
しかし、枝角類のミジンコと同様に環境の悪化が起こると、休眠卵を作る。

オナガミジンコ4Diaphanosoma brachyurum

体長:0.8-1.2mm 性別:メス
大きな複眼が不気味である。複眼の周囲は目が数珠つなぎになっているのがよく判る。

オナガミジンコ3Diaphanosoma brachyurum

体長:0.8-1.2mm 性別:メス
夏の暑い時に出現する。体がものすごく透明であり、じっと見ないと居ることが良くわからない。

オナガミジンコ2Diaphanosoma brachyurum

体長:0.8-1.2mm 性別:メス
透明で華奢に見えるにもかかわらず、正面から見るとこのようにマッチョマンだ。

オナガミジンコ1Diaphanosoma brachyurum

体長:0.8-1.2mm 性別:メス
夏の暑い時に出現する。体がものすごく透明であり、じっと見ないと居ることが良くわからない。

ケンミジンコの仲間2Cyclopoida sp.

体長:0.8mm 性別:メス
ケンミジンコの種の同定のためには固定(殺す)して、第五胸脚を調べたりしなければ判らない。私は殺したくないので、種の同定を諦めている。ただ,この写真のように生殖節のところから左右にぶどう上の房をぶら下げているのは間違いなくメスである。この房は卵であるからだ。生きているケンミジンコは動きが素早く撮影には根気が要る。

ケンミジンコの仲間1Cyclopoida sp.

体長:0.8mm 性別:メス
デジカメ映像である。ブドウの房状の透明な卵が良く見える。生殖節の受精口が良く見える。生きているものは輝いている。

ニセネコゼミジンコ2Ceriodaphnia dubia

体長:0.9-1.4mm 性別:メス
正面からみたらこう見える。神秘的で可愛く、美しい写真である。

ニセネコゼミジンコ1Ceriodaphnia dubia

体長:0.9-1.4mm 性別:メス
背中の育嚢内に見える黒い点が子供の目である、数えると5個ある。

アミメネコゼミジンコ2Ceriodaphnia reticulata

体長:0.6-1mm 性別:メス
アミメネコゼなのか、ネコゼなのかよく判らない。

アミメネコゼミジンコ1Ceriodaphnia reticulata

体長:0.6-1mm 性別:メス
アミメネコゼなのか、ネコゼなのかよく判らない。

タマミジンコ メスMoina macrocopa

体長:0.8~1.2mm 性別:メス
出産中のタマミジンコ。
上の方にいるのは、産まれたばかりの子供かわいいでしょ? Vサイン!

タマミジンコ オスMoina macrocopa

体長:0.6~0.8mm 性別:オス
第一触角が著しく長いのが特徴。
雌は環境が悪化(酸素不足・餌不足・温度変化・乾燥など)すると、雄と雌を産み分ける。

オカメミジンコ2Simocephalus vetulus

体長:1.2-1.9mm 性別:メス
この状態は母親が後腹部を持ち上げていて、すっかり成長した育嚢内の子供が体外に出ようと動いている瞬間である。
子供は開いている母親の腹側から外界へと泳ぎだす。

オカメミジンコ1Simocephalus vetulus

体長:1.2~1.9mm 性別:メス
育房中の幼体が発育中。まだ、はっきりと体の仕組みが出来る前
オカメに似てる??

ミジンコ2Daphnia pulex

体長:1.5-3.3mm 性別:メス
この休眠卵は脱皮をする時に生み出される.陸生の昆虫と違ってサナギが植物の茎や木の枝に止まってから、背中が割れて中から出てくるというわけにはいかない。
ミジンコはぐるぐると体を回転させる。
回転すると頭部と胸腹部の間にある節がはずれ頭部の殻は鉄兜を脱ぐように脱げていく。
次に第二触覚を自分で引き抜くと、胴体部分をけって脱ぎ捨てる。このとき背中の休眠卵は外側へずれてきているがまだ体にくっついたままだ.
そこから背中にくっついたニ枚の殻は卵全体が外側にずれていくのに合わせて中の卵を包みながら閉じていき、ついには体から脱落する。
この時胴体部分の脱皮殻と休眠卵は下の方でくっついているが、脱皮殻は次第に外れ、やがては分解されて水に戻る。
こうして休眠卵は命のカプセルとなる。つまり植物の種と同じ生存戦略ということである。

ミジンコ 1Daphnia pulex

体長:1.5-3.3mm 性別:メス
背中に休眠卵を持っている。これはオスと交尾してできる受精卵である。
白い鞘の中にある黒い丸が卵の本体である。白い部分は体の殻が鞘に変化したものである。
これは次に脱皮する時に外に生み出されて,休眠に入る。
環境が好転すればセンサーが働き中の卵が発生をはじめて、またメスのミジンコが生まれる。
体の表面についているのはツリガネムシである。他にも植物プランクトンや、ワムシがよくついている。

ミジンコの休眠卵Daphnia pulex

体長:縦0.3mm横1.2mm
乾燥等の悪環境に耐えて次に来る環境の好転を待つ命のカプセルである。耐久卵とも言う。オスメスの交尾によって作られた受精卵。植物の種と同じ生存戦略である。

ミジンコ メスDaphnia pulex

体長:1.5~3.3mm 性別:メス
単性生殖(交尾をせずに子供が出来ること)で出来た無精卵はクローンである。
育房に無精卵が丸く見えている。

ミジンコ オスDaphnia pulex

体長:0.9~1.4mm 性別:オス
雌の半分の大きさしかない。
環境の悪化によって、有性生殖(交尾をして子供が出来ること)を行う時に現れる。

タイリクミジンコ14Daphnia similis

体長:2-2.9mm 性別:メス
大型のミジンコで形が綺麗である。頭部の写真である。濃い緑色の器官が腸。この緑色はこのとき餌にしていたクロレラの色である。腸と複眼の間にある薄い緑色の器官が盲嚢。その下の白い丸と三角の器官は脳である。脳があるから行って驚いてはいけない。
人間にある脳は構造的には洗練されているが、だからといって優秀でない事は遠くの昔に判っている。そんなものは、進化の過程で出来た「種の都合」にすぎない。三角の右にある黒い小さな点が単眼であり、複眼や脳と神経索で繋がっている。左下の透明な袋状のものが心臓である。

タイリクミジンコ1Daphnia similis

体長:2.0~2.7mm 性別:メス
以前は「ニセオオミジンコ」というまことに残念な名前がついていました。
したがって、本図鑑においてもそれを踏襲していました。
しかしながら近刊の「日本淡水産動植物プランクトン図鑑」 名古屋大学出版会 田中正明著によると、「タイリクミジンコ」と改名されている。
ようやく不思議な和名の数々のうち、ひとつでも正当な命名がなされたことに敬意を表したい。
そのような経緯により、本図鑑でも「タイリクミジンコ」というな目を使うことにいたしました。
本種は我が家においても大型ミジンコ(Daphnia)の主要種として棲息している。
丁寧に言うとDaphnia pulexよりDaphnia similisのほうが優位であるのです。
今回、HPのリニューアルに伴って新名を採用いたしました。

カブトミジンコDaphnia galeata

体長:0.6-2.0mm 性別:メス
捕食者のにおいに反応し、食べられない様に頭を尖らせる。
体を大きくすることによって捕食者の口に入りにくくなる。

オオミジンコ 休眠卵Daphnia magna

休眠卵(耐久卵・受精卵とも呼ぶ)
環境が悪化し、有性生殖によって作られた受精卵。
乾燥や温度変化に強い。
サヤの中に2個の受精卵が見える。

オオミジンコ メスDaphnia magna

性別:メス 体長:5.0mm
育房に無精卵を排出中。はじめは細長い形で排出され、次第にまるくなる。

オオミジンコ オスDaphnia magna

性別:オス 体長:2.0mm
雌の1/2くらいの大きさ。 環境の悪化によって、休眠卵を作るために有性生殖を行う。